東区葵1丁目および2丁目が17ブロックの地域となります。
この地域にかつてあった施設などとともに、地域のご紹介をさせて頂きます。
【御下屋敷(おしたやしき)】
江戸時代、現在の葵1丁目には「御下屋敷(おしたやしき)」という尾張藩の別邸がありました。
1679年に創建され、その敷地は現在の代官町にかけて約64,000坪と広大で、尾張藩江戸屋敷と同じ回遊式の立派な庭園があったそうです。
1782年の大火でそのほとんどを消失し荒廃してしまいました。
【旧 東区役所】
桜通り沿い、現在は名古屋医師会館や名市大看護学部葵校舎がある場所には東区役所がありました。大正15年11月に建設された庁舎は、鉄筋コンクリート造2階建、建築面積は延べ2082.30㎡あり当時としては極めて近代的な建物だったようです。
【旧 名古屋法務局】
現在、アマノ芸術創造センター名古屋がある場所には名古屋法務局がありました。
この周辺には老舗の司法書士・測量事務所があると聞いておりましたが、この名残なのですね。
ところで冒頭の「御下屋敷」跡地ですが、明治になって敷地一帯の建物が取り壊され売りに出されたのですが、買い手がつかず大正期まで畑などのままだったそうです。
名古屋の中心部至近のこの地域が売れない農地だったとは、現在とはずいぶんイメージが違います。
大正期から約100年後、布池教会や芸術創造センター、マザックアートプラザなどのシンボリックな建物や、夜間・休日診療も受けられる名古屋医師会急病センターなどもあり、地下鉄東山線「新栄町」駅を擁するこの地域、近年では分譲マンション開発も盛んとなり、賑わいと穏やかさがバランスよく融合した街になっていると感じます。
《参考文献》ひがし見聞録(編集:東区制100周年記念事業実行委員会)
東区史(編集:東区史編さん委員会)
17ブロック幹事 株式会社)プランニングオフィス向陽 古澤 智人